まずはじめに(共通)
まずは弁護士を見つけましょう。
自分でやる方もいますし、確かに費用の面では安くつくといえますが、 現実は交渉も手続きもすべて自分でやらなければならず、よほどの根気と執念が要ります。 また、どの手続きをするにしても裁判所はいい顔をしません。落ち度がないのに何べんもやり直し をさせられ、挙句の果てには嫌味を言われるのがおちです。 ならば、比較的料金の安い司法書士事務所へ依頼しようと考えるかもしれませんが、 こちらは代書屋です。1業者あたりの借金額が140万円以下であって、裁判所への申立をしない個人の任意整理であれば司法書士に依頼してもいいですが、 民事再生や自己破産はやはりご自分が動かなければなりません。料金の相場も弁護士のそれと比べ 幾分割安感があるだけですから、お勧めはしかねます。 一般的に高い料金を設定した弁護士事務所が多いですが、 安価で一生懸命やってくれる弁護士さんは少なくありません。しかも分割でやってくれますので、 どうしても見つけられない場合は一度ご相談ください。紹介は一切しませんが、調べるヒント(選択の条件等)ぐらいは提供いたします。 弁護士の選択が出来たら、相談を依頼します。債務の現状を話し、債務整理の件を受任をしてもらえてはじめて 債務整理が始まります。 依頼するだけでもかなりのエネルギーが必要です。ご自分で最後までやるにはどれだけ不屈の 精神力が必要になるか想像すらできません。 受任通知 受任後、弁護士から債務整理の受任通知を業者に送ると、それ以降は、直接債務者本人に請求したり、 電話したりすることは禁止されます。(金融庁ガイドライン) 支払停止 受任通知を送った後は、全ての返済を停止します。従って、この段階で資金的余裕が生まれます。 もちろん、電気、電話、保険料等の通常の生活費の支出は問題ありません。 弁護士事務所への報酬は、この時点で捻出するのが良いでしょう。とはいえ、分割でなくては払えませんよね。 (但し、民事再生等においては必要に応じて住宅ローン等を継続して支払う場合があります。) さあ、ここから各手続きに入って行きます。 自己破産
自己破産は、裁判所を通じて借金をなくす手続きです。
「免責決定」を貰うことが目的になりますが、
免責決定とは裁判所から「借金を返済することはできない」という破産宣告が下された後に、
「借金は払わなくてもいい」という決定を受けることをいいます。
自己破産のメリット 1 本人が経済的な新しい出発を図ることができる。 2 免責を受けるとどれだけ借金があっても返さなくてよくなる。 3 破産宣告後の給料は原則としてすべて自分で自由に使える。 4 戸籍謄本や住民票には載らない。 5 通常は近所の人や勤め先に知られず、自己破産によって会社は本人を解雇でき ない。 6 選挙権、被選挙権はなくならず、海外旅行もできる。 7 市町村役場の身分証明書には記載されたが、平成17年からは身分証明書にも 記載されない見通し。 8 警備員、保険外交員、取締役等になれないのは、免責を受けるまでの間だけ。 9 手放さなければならない財産は、不動産や株式などといった価値の大きい財産 (合計50万円以上の財産など)だけ。 11 自己破産をしても妻(夫)や子供、親兄弟が本人に代わって借金を支払う義務は ない。 12 子供の進学・就職等に自己破産をしたことが不利に働くことはない。 ところで、破産手続には大きく分けて同時廃止と異時廃止があります。 「同時廃止」は破産管財人がつかず、すぐ手続きが終わるものです。 個人の場合、不動産がなくギャンブル等を行っていなければ同時廃止となります。 「異時廃止」は破産管財人がつき、破産者の財産内容を調査するものです。 すなわち、処分すべき財産が多い場合、破産管財人というものが付き、その破産管財人が債務者の財産を全て管理する事になります。 しかし、財産隠しをすると免責手続がなされず破産する事ができなくなりますので、決して財産隠しはしないでください。 破産手続きの流れ(同時廃止)
自己破産を申し立てる人の約9割が、通常は財産がない場合が多いため同時廃止になっています。
@ 弁護士事務所で債務内容の調査、必要書類の提出 A 弁護士が裁判所にいき、破産の申し立て(このとき債務者は同行不要。) B 弁護士と裁判官の面接。裁判官が債務者に破産する事に対しての事情を聴取。 問題がなければ、即日破産決定が下ります。 C 約一ヶ月後、裁判所の指定した期日に、免責のために弁護士と債務者が一緒に 裁判所に面接にいきます(弁護士がすべて受け答え)。 D 免責不許可事由がなければ、約一ヶ月後、免責が決定されます。 E 免責が出された後も官報にその旨が掲載され、公告後一ヶ月が経過しても各債 権者から異議が申立てられなければ、債務が免除され「破産者」でもなくなりま す。 破産手続きの流れ(異時廃止)
本人に財産がある場合は、「破産管財人による破産手続き」が行われ、不動産などの本人の財産を売却して代金を貸主に分配します。
@ 弁護士事務所で債務内容の調査、必要書類の提出 A 弁護士が裁判所にいき、破産の申し立て(債務者は同行不要) B 弁護士と裁判官の面接。裁判官が債務者に破産する事に対しての事情を聴取。 異時廃止の場合、数日中に破産決定がおり管財人がつく。 C 管財人の事務所に、弁護士と債務者が同行し、面接。このときに管財人から色々 質問や説明が求められる。 D 管財人の指示に従い、財産を処分。 E 数カ月後、裁判所にて債権者集会を開催。 F 免責不許可事由がなければ、免責。 G 免責が出された後も官報にその旨が掲載され、公告後一ヶ月が経過しても各債 権者から異議が申立てられなければ、債務が免除され「破産者」でもなくなりま す。 免責不許可事由
免責不許可事由の例
(1) 無駄遣いをした場合 (2) ギャンブルにお金を使った場合 (3) 裁判所に提出した書類に嘘がある場合 (4) はじめから返せないと分かっていながら貸主をだまして借金していた場合 (5) 事業資金であった場合 (6) 免責申立後前10年以内に免責を得た場合 免責不許可事由があると絶対免責されないわけではなく、裁判所の裁量で免責されるケースも多くあります。 少々の無駄遣いやギャンブルをしていても多くの場合裁判所は免責してくれます。また、完全に免責不許可事由に当てはまる場合でも、 裁判所は本人の誠実さを知るために破産管財人を選任して免責を許可できるかどうかを調査させます。 破産管財人に誠実な人柄であることが認められると、破産管財人は「免責相当」という意見を書いてくれます。 この「免責相当」という意見があればほとんどのケースで免責になります(少額管財事件)。 お問い合わせ
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